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過去・現在・未来という 魂を核においた時空の旅がテーマ。ここでいう"魂"とは布袋寅泰の中にある源のようなもの。布袋の自分史のあらゆる地点から集まってできたかのような世界が、全24曲分 収められている。しかも各々のナンバーの中にさえ、またいくつかの世界が広がっていたりする、まるで、宇宙のような構造を持ったアルバム。アルバムを通してのシナリオは、魂が今を通過して未来を指向しているうちにビートの衝動で弾けて,時空を自由に飛びまわり,綺麗なもの,哀しいものなどを見たりしながら傷つきながら彷徨い,最後に火星からきたスターマンに拾い上げられ天に昇っていくというもの。曲と曲との繋ぎ方が凝っていたり各々の楽曲に込められた意味も深く2枚組だからこそ表現できたスケールの大きいコンセプト・アルバム。
サウンド面ではGUITARHYHTHMを布袋と共に作り上げた藤井丈司が今作にも参加。布袋曰くこのアルバムの35%は藤井丈司によるもの。そして、作詞で参加した森 雪之丞の存在。森雪之丞が手がけたのは全24曲中8曲なのだが、このアルバムの世界観を聴く人に大きく印象付けたのはその歌詞によるところが大きい。
森 雪之丞のワードと布袋寅泰のサウンドの組み合わせによって生まれた名曲の数々の原点はこの"GUITARHYTHM Ⅱ"である。
心の中に幽閉されたまま、マグマの様にぐつぐつと温度を上げ、爆発の瞬間を待ちわびていた僕のロックなポエジーを鮮やかに噴火させてくれたのは、布袋寅泰である。 『デヴィッド・ボウイ』を共通言語として持ち合わせていた僕達は、仕組まれた運命の罠を愉しむかのように出逢い、1991年、作品を作り始めることになる。 3月17日、都内の布袋宅で渡された2本のカセット・テープ。そこにはダブル・アルバムである『GUITARHYTHM Ⅱ』のために20以上の新曲が収録されていた。とりあえず2曲に詞を付ける打ち合わせをして別れる。そして3月27日、僕はこの『MERRY-GO-ROUND』ともう1曲の『SLOW MOTION』を書き上げ、都内にあった布袋君の事務所で手渡した。これが、その後10年に渡って魂を重ねあう、布袋寅泰との壮大な物語の序章である。
by 森雪之丞
1991年6月28日に布袋寅泰の本格的なソロ活動の始動を高らかに宣言したシングル「BEAT EMOTION」から2か月後に限定5000セットで先行リリースされた4枚組LPボックスがGUITARHYTHM Ⅱの最初のリリースとなった。アルバム本編がLP3枚に渡って4曲x6面で収められており4枚目にはイギリスで1989年にリリースされた"DANCING WITH THE MOONLIGHT"の12インチシングルが収録された。LPから遅れて1か月後にCDがリリースされた。CDは初回限定盤はワインレッドのベルベットボックス入りのピクチャーディスク仕様。CDにはLPの4枚目に収録されていた"DANCING WITH THE MOONLIGHT"のUK 12インチシングルは未収録。なおカセットテープ(ミュージックテープ)版もリリースされたが、こちらにはカセット2本組=A面B面x2ということでLP盤と同一の収録となっている。ちなみにカセットでの販売はこのGUITARHYTHM Ⅱが最後となった。先行シングルの「BEAT EMOTION」は,アルバムでは"Welcom to GUITARHYTHM Ⅱ"というイントロから始まり,間奏部分も若干異なっておりアルバムヴァージョンとして収録された。またカップリングのRADIO! RADIO! RADIO!もRe-mixされている。
後に「YOU」がシングルカット。
2000年にGUITARHYTHM~KING & QUEENまでの9枚のアルバムがリマスターシリーズとして再販。音圧が上がり、音質もクリアーになったのだが、このGUITARHYTHM Ⅱのリマスター盤に収録の"BEAT EMOTION"がシングルヴァージョンに差し替えられている(2008年のGUITARHYTHM BOXも同じく)。そのため"BEAT EMOTION"のアルバムヴァージョンは1991年にリリースされたメディアでしか聴くことができない。
2011年2月1日リリースの「HOTEI MEMORIAL SUPER BOX」には新たにアナログ盤が収録されたが2枚組に仕様変更されている。