LAST WORDS
TOMOYASU HOTEI

お元気ですか?

長い間逢っていないね。

僕は元気です。

こうしてペンを持って、みんなのこと考えながら手紙を書こうと決心がつくまでには、時間がかかってしまったよ。

ヨシ・・・きょう書こう!と決めてからのシチュエーションの設定が、また大変だった。

いつ、どこで、何をしながらってやつですね。

結局、夜中に僕の部屋でビールを飲みながら、これを書いてます。

手紙をもらったことはあっても、返事を書くことができなかったから、この場を借りて色々書きたいと思います。

みんなの部屋にBOØWYがいるのと同じでね、僕の部屋も6年間の思い出でいっぱいです。

いってしまえば、BOØWYだらけなわけだな。

さすがにポスターこそ貼ってないけどね。

『 IMAGE DOWN 』を作ったギター。

ライブハウスを廻ってた頃の写真。

何十曲分のデモテープ。

ファンレター。

ピック。

ステージ衣装。

ツアーのパンフ。

ベルリンの旅行案内。

メリー・ポピンズ。

まこっちゃんから貰った万華鏡。

ヒムロックからのロンドンみやげ。

松ちゃんの寝顔。(誤解しないように)

『 MORAL 』から『 LAST GIGS 』までのレコード。

エトセトラ・・・エトセトラ・・・エトセトラ・・・。

僕はカッコつけたがり屋だから、雑誌とかじゃあんな感じだけどサ。

実は、たまに昔のレコードを出してきて懐かしがったりしちゃってさ、なかなかいえる人がいなくてサ。

でも、こうやって漠然と「みんなへ・・・」なんて感じで書いてると、へっちゃらだったりしてね。

”生きてる”と色々あるよね。

そういえるほど、”生きてない”と思ってる奴もいるだろうけど、もし15歳だとしても毎日色々あるでしょ?

腹が立ったり、笑ったり、悲しかったり。

みんな悩んでんだろうな・・・。何かで。

僕だって、いま悩んでるもん。

まぁ、そこまではいえないけどね。へへ。

そんなとき、音楽とか友達とかって本当に大切だよね。

慰めてくれるとか、そういうんじゃなくて。

必要だよね。

ーんで、僕はギターを弾いてて、友達っていう形じゃなくてみんなと知り合った。

運命。出逢うべきして、出逢った。

それで僕らはどうなったっていうんじゃないんだけど、僕ら(BOØWY)の最後をみんなは認めてくれたんだっていうのがねー。すごく・・・。

ジジイ的ないい方だけどネ。みんな始まるんだな・・・って思う。

みんなも年とるだろうし(あたり前か)。

子供できる奴もいるだろうし、そうはいいながらも、サラリーマンにハマル奴もいるだろうし、ヤクザになっちゃう奴もいるかもしれない。

もちろん僕自身もね、カンペキに落ちぶれて”懐かしのスター!!”って感じになっちゃうかもしれないしサ。

でも、忘れらんないよね。この関係。

少なくても空集合見るたびに思い出しちゃうとか、七福神の名前はひとり知ってるゼ・・・とか。

忘れらんないよね・・・。ネ? ネ? ネ!!!

けっこう読んでて意外でしょ?でも逆に布袋くんぽかったりしない?素直ぶってるところが、ひねくれてるっていう素直さが。

スーパー・カリフラジリスティック〜の世界だとか自己分析したりして・・・。

逆にカッコ悪いかな?いまこんなふうに感じちゃったりして。

もちろん、次のステップに燃えてるっていうのはあるんだけど、どうも思い出しちゃう。

まぁ、悪いことじゃないよね。

勲章貰ったようなもんだもんね。

「またでかい勲章見せびらかせやがって」っていう奴がいても、「イーだろうー!」っていってやるもんね。

ヘッ!!ヘッ! ヘッ! ヘッ!

ちょっとおちゃらけ過ぎたかな・・・。

でもわかってくれるでしょ?

おちゃらけてるわけじゃないって。

おちゃらけでもしなきゃ、最後の手紙書けません。

BOØWYの一員としての僕と、みんなの関係はここで終わりです。

みんな大好きだよ。

本当に感謝してます。

アリガトウ。
 

P.S.
この手紙のことは内緒にね。
明日から、またカッコつけんだからさ・・・。