45年目の"最新"が塗り替える色彩: HOTEI 45th CELEBRATION GIGS レポート

BOØWYのライブが行われた1981年から数えて、2026年は布袋寅泰というアーティストの活動45周年という記念すべき年です。

これまで、25、30、35、40周年と、節目ごとに我々を驚かせる大規模な周年活動が行われてきました。30周年の際の「創世記」と「WE ARE DREAMER」という2つの異なるバースデー・ライブや、記憶に新しい2024年の「HITS & HISTORY」武道館2DAYS。

今回の“EVE”と“BIRTHDAY”というタイトルのもと、一体どんな魔法を見せてくれるのか。わりと長く追いかけてきた私ですら、その全貌は全く想像がつきませんでした。すでに詳細なオフィシャルレポートがでてますので、ざっくりしたレポートを。

【Day 1: EVE】驚愕のセットリストと、最前ブロックゆえの「焦燥」

初日の1月31日、運良く引き当てた座席はアリーナA4ブロック。熱心なファンは家族を会員にしたり仲間内でチケット取り合ったりしているようですが、あえて頼らず、常に「1枚」というストイックな申し込みを続けていると、数年に一度こうした幸運が訪れます。いつも良席・神席なんて普通はありえません。

布袋さんのライブはオープニングが見どころなわけですが、過去映像を大画面を使って45周年を振り返る演出、今回もさすがでした。過去映像のチョイスが秀逸で、個人的にはSERIOUS!CLIMAXのRUN BABY RUNの青スーツに赤のMV-480HTの映像がツボでした(発売してほしいと願い続けて30年以上)。布袋さんの登場に沸き立つ観客。あの高揚感は会場にいるからこそ味わえます。シルバーにちかいグレーの衣装は安藤賢司さん。オープニングSEの後半あたりがBOØWYのDreamin'のメロディをフィーチャーしていたのですが、まさにそのDreamin'で幕を開けました。この流れは新鮮でした。怒涛のヒット曲連発、と思いきや「そう来るか!」と、耳の肥えた古参ファンを唸らせる演出の連続。プレイの気合も凄まじく、昨年のB.C. ONLYで感じたような「凄み」がさらに研ぎ澄まされている印象です。まさに脱帽の一言。

昨年のB.C. ONLY同様にニューギターが登場しました。

  • パープル・カラーのファイアーバード
  • 初披露となるZoidac NEO(ブラックライン)

これらの登場には、一部の人たちはざわついたはず。特に黒ラインはヘッドが白い!ゴールドパーツ!と同時に、ZodiacWorksのTC-HOTEIは完全にNeoと入れ替わったのかなと、ちょっぴり寂しい気持ちも。

ただ、Aブロック特有の悩みもありました。冒頭の代表曲連発時、あまりの盛り上がりとステージへの近さゆえでしょうか、音がよく聴こえないのです。特にベースとドラムが全然聴こえず焦りました。しかし、『バンビーナ』終わりで黒テレキャスターのまま、あの『BARBARELLA』を彷彿とさせるフレーズを奏で、そこからまさかの『BE MY BABY』へ繋がる鮮やかな展開あたりで、サウンドの輪郭がはっきりと見え始め、その後はさほど気にはならなくなりました。ライブ終わりに、みな最高のライブと興奮していましたがAブロックの人たちは音に関しては大体同意見でした。

【Day 2: BIRTHDAY】音響の「正解」と、初期BOØWYへの言及

2日目、開場前にたまたま写真家のハービー山口さんにお会いすることができ、友達と一緒に記念撮影&ハービーさんに撮影してもらえてハッピーな気持ちに。今回は座席はアリーナC1ブロック。昨日とは対照的に全体を見渡せる位置でしたが、ここで驚いたのは「音の解像度」の違いです。PA卓が設置されていたD4ブロック付近の調整が完璧だったのでしょう、昨日よりも遥かに細かなニュアンスまで聴き取ることができました。中盤のMCで、布袋さんの口から、BOØWY初期メンバーである深沢和明氏と諸星アツシ氏の名前が語られたのです。この2人の名前をライブのステージで耳にするのは、おそらく初めてではないでしょうか。万博など近年のプロジェクトでも見られた「映像と演奏の融合」ですが、東市篤憲氏(A4A)が手がける映像演出が圧巻でした。今回は照明を含め、過去最高級のクオリティ。昨日のオープニング映像から素晴らしかったわけですけど、着席しての『ヒトコト』は映像に歌詞も表示させることでより深い感動、特に『さよならアンディ・ウォーホル』や『MERRY-GO-ROUND』での高速カッティングとシンクロする映像演出は誰もが熱狂したことでしょう。やはり音がよく聴こえるとステージもまた違ってみえますね。

音と映像、そして「熱」の物理学

映像演出に関して一つ興味深いのは、巨大スクリーンと音の「ズレ」です。光は瞬時に届きますが、音は空気中を約340m/sで伝わります。アリーナ後方に音を合わせると、映像を敢えて数ミリ秒遅らせる調整が必要になりますが、その「違和感」すらもライブの生々しさを際立たせていました。ですので2日目は1日目ほどのズレは感じませんでした。また、炎の演出による「熱」も同様です。ステージ近くが熱いのは当然ですが、後方席までしっかりと熱波が届くあの瞬間、会場全体が熱に包み込まれ一つの生命体になったような感覚を覚えます。

U-NEXTでの再確認:最新が最高、というより「唯一無二」

ライブ後、早速U-NEXTの見逃し配信を視聴しました。会場の座席位置による音響の差を超え、配信の音質の素晴らしさには驚かされました。「こんなにも凄いライブだったのか」と、改めてその完成度に震えます。

布袋さんのキャリアを振り返ると、アルバムと同様に一つとして同じ色のライブはありません。「最新が最高」という単純な比較ではなく、新しい色彩で過去の絵を塗り替えていくような感覚。 中学生の頃から追い続け、一度も空白期間がないことが私の誇りですが、「この人の表現を最後まで見届けなければいけない」という決意を新たにしました。

45周年の布袋さんのスローガンは「いくぜ。」
ライブ終了後に大画面で発表されてHOTEI FESの出演者一覧。その後に、45周年のキービジュアルが!
35周年の時は、前へ、でした。40周年は、どどけ。そして45周年は、いくぜ。です。

結びに:全ての世代の「布袋ファン」へ

今回のライブは、ここ数年でファンになった方には文句なしの「ドストライク」だったはずです。しばらくは最新ライブで頭いっぱい胸いっぱいでしょうけど、ぜひここから過去の作品へと遡って沼ってほしい。そして、かつて熱狂し、今は少し距離を置いている元・ファンの方々。U-NEXTの見逃し配信(2月21日まで)は、あの頃の情熱を再燃させる絶好の機会です。「昔も、今も、そしてこれからも」布袋寅泰は最高であるという事実を、ぜひその目で確かめてください。