FERNANDES TE-HT、布袋寅泰がBOØWY時代からメインギターとして使用してきたモデルで、布袋寅泰初のシグネチャーモデルである。テレキャスターの未来系をコンセプトに開発された。フェルナンデス時代にギターを担当してきた松崎淳氏が独立しZODIACWORKSを設立してからはZODIAC WORKSがメンテナンス・パーツ交換をしており、FERNANDES TE-HT rebuilded by Zodiac Worksと表記されるようになり、現在はTE-Hoteiと表記されることが多い。オリジナルのパーツはFERNANDES製のボディのみ。布袋寅泰の活動に合わせて常にアップデートされており80年代、90年代のロック・シーンを切り裂き、作ってきたといえる最重要モデルで、その影響力は計り知れないものがある。
このあまりにも有名な格子模様であるが、布袋は、BOØWY時代初期にESPのNAVIGATERシリーズのオーダーメイドテレキャスターに手書きで格子模様をペイント(当時は白地に黒ライン)したものを使用しており、その手書きのラフな模様を元に再現しているためボディのラインは直線ではない。サブモデルやサスティナー搭載モデル、黒ラインをはじめ様々なバリエーションが作られているが、オリジナルのラインとは異なっている。
「当時はこれ一本しか持っていなかった。これで自分のスタイルを確立していったんですよ。雨の中でも使っていて、ライブのすべてを吸収している。このデザインは後も布袋のシンボルになったね。」
市販モデルとして、フェルナンデスより1986年2月から廉価版モデルTE-95HTが販売開始された。上位プロモデルとしてTE-240HTも発売された。数字は値段を表していて95が9万5千円、240が24万円・・・のちに値上げされ型番もそれに伴いTE-115HT、TE-320/360HTといった感じで変更されている。フェルナンデスが布袋寅泰本人のギターに関わったのは1992年までで、以降はZODIACWORKS(フェルナンデスから独立)が手がけていた。ただ、FERNANDES製のパーツを使用していたり市販モデルの販売は続けられていた。フェルナンデスから2012年10月まで販売され、最後はプロモデルのTE-380HTと廉価モデルTE-115HTの2モデル。並行して布袋さん本人モデルを手がけるZODIACWORKSでも布袋モデルはオーダー可能であり、BOØWY時代のFERNANDESロゴが好きな人やフェルナンデスというブランドファン以外は、ZODIACWORKSでTC-HOTEIをオーダーする人が多かった。しかし、残念ながらZODIACWORKSは2022年2月の松崎淳氏の逝去により会社の存続が困難になり2023年5月に閉業、フェルナンデスも2024年7月に閉業となり、正規の布袋モデルは中古市場でのみ流通する形になっているが取引価格が高騰しちょっと異常な状況になっている。当然のことながら年々状態の良いものは減っていくため、今後も入手困難な状況は変わらないと思われる。後継モデルとして一般販売されるZodiac NEO Eternal Legacy HOTEI Modelは約80万円と高額だが、仮にZODIAC WORKSが存続していたとしても、こちらも木材の入手が難しく値上げを余儀なくされていたと思われ、おそらくギター本体で60ー70万円になっていたはずで、妥当な価格設定と思われる。
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