私はiPhoneを3GSが日本で発売されたときから長年使い続けています。常にケースをつけていて、裸で使用したことはほぼないです。購入直後に保護ガラス貼ってケース装着。単に、長くつかうものではなく、新機種購入の際に手放すから、できるだけキレイなままにしておきたいからです。
故スティーヴ・ジョブズは、iPhoneにカバーを付けるという行為を嫌っていたといいます。
「僕は、擦り傷のついたステンレスを美しいと思うけどね。僕たちだって似たようなもんだろう? 僕は来年には五十歳だ。傷だらけのiPodと同じだよ」
スティーブ・ジョブズ
たしかにスマートウォッチはさておき、高級時計にケースをつける人なんていませんよね。
でもやっぱり精密機械・電子機器、しかも常に持ち歩くものとなると・・・いわゆるiPhone裸族に自分はなれません。でも、憧れはあるし、かっこいいとすら思います。何かあった時の、お金・時間・手間を考えなくてもよい余裕が自分にはないのです。
同じ精密機械でも、そういえばカメラにはケースはつけていません。耐衝撃などには多少は気をつけていますが、レンズ保護や液晶モニターに保護シートを貼っているくらいです。なんだろう・・・使っているときは身体の一部だと思っているからかもしれません。使いこまれたオールドカメラってカッコいいと思います。私は楽器はやらないけれども、使い込まれたギターにもそれを強く感じます。
傷だらけのギター
先日、かつてZODIACWORKSが新しい布袋モデルとして製作したRSというモデルのページを作り直しました。1999年に行われたGREATEST HITS TOURのみで使用されたモデルで、ボディトップにドラゴン2匹のペイントがあるモデルです。そのギターの詳細はRS-DRAGONを御覧ください。その際に、15年以上前に撮影した写真を見つけたので、それを掲載したのですが、その写真を久々に見て弾きまくったんだな・・・と改めて感心したわけです。
このモデルはツアーだけでなく、レコーディングでも使用していたそうです。音だけでなく弾きやすさを重視しているため、ボディの形状が立体的で身体にフィットするようになっています。そのためか、塗装の関係かわかりませんが、大分削れてしまっています。
ネックの汚れ具合も印象的です。私がこの写真を撮影したのが2008年、ちょうどその年に譲渡されています。残念ながら布袋さんが所有していたRSはこのホワイトドラゴン以外にブラックドラゴン・ブラックの計3本ありましたがすべて手放されています。弾きやすさ重視なモデルだったが故に、弾きにくいギターが好き、という布袋さんにはフィットしなかった、しなくなったのかもしれませんね。
たまたまSNSで、このギターの現在の所有者さんを見かけました。飾りではなく弾くようのラックに並んでいるように見えたので、おそらく現在も弾かれているのでしょう。現在はもっと使い込まれて、よりヴィンテージ感増していると思われます。
傷だらけといえば布袋さんがZemaitisを使う際にあえてバックルで傷をつけたなんてエピソードを音楽雑誌、たぶんGiGSだった思いますが、若い頃、そんなエピソードを知って痺れました。そして、40本のギター展示会で、ZEMAITIS WILDの傷だらけのボディを間近で見て、凄まじさを感じました。いまはZemaitisは普通に生産されていますが、それが始まった頃、楽器フェアのブースに見に行ったのですが、なんにも感じなかったんです。彫金とかはオリジナルと同じ人なのに。キレイに作られていて昔のコピーモデルよりはマシだけど、なんか違う・・・新品だったから?未来的というかモダンなギターだったら違うんでしょうけど、日本人は器用すぎてしまうのかな?
使い込まれたら、多分、いい味がでると思うんですが、何十万、100万オーバーのギターをガンガン使うって、仮に自分だったら果たしてできるのか・・・?多分できないので、やっぱり、使い込める人がカッコいいと思う次第です。