GUITARHYTHM II


CD : TOCT-6280,6281 
MT : TOTT-6280,6281 
’91.9.27発売
CD2枚組,全24曲。誰もが予想だにしなかった形で発売された GUITARHYTHM II。過去・現在・未来という 魂を核においた時空の旅がテーマ。布袋の自分史のあらゆる地点から 集まってできたかのような世界が、全24曲分 収められている。しかも各々のナンバーの中にさえ 、またいくつかの世界が広がっていたりする、まるで、宇宙のような構造を持ったアルバム。アルバムを通してのシナリオは、魂が、時空を自由に飛びまわり、綺麗なもの、哀しいものなどを見たりしながら傷つきながら彷徨い、最後に火星からきたスターマンに拾い上げられ天に昇っていくというもの。 そのスターマンは、はDAVID BOWIEの曲のカヴァー。
5000枚限定で'91.8.30にアナログ盤”TOJT−6280−6283”(4枚組)も発売されました。CDに収録の24曲に加え、DANCING WITH THE MOONLIGHT、LEGEND OF FUTURE、POWER、C’MON EVERYBODYの4曲がボーナストラックとして収録されています。UKでシングル発売された12インチシングル「DANCING WITH THE MOONLIGHT」と全く同じ物です。POWER、C’MON EVERYBODYは1988年に代々木で行われたGUITARHYTHM LIVEでの音源です。また、ほとんど知られていないことであるが、このGUITARHYTHM IIまではMT(テープ)でも発売されており、MTにはアナログ盤同様、これらCD未収録曲も収録されております。
DISC 1
01 GUITARHYTHM REPRISE
LYRICS:HERBIE YAMAGUCHI,LENNY ZAKATEK
MUSIC:TOMOYASU HOTEI
これは魂の旅のアルバムで、まずここで魂を祝福して、それから魂が飛び出て「BEAT EMOTION」に入っていく、 というアイディアが最初からあって、魂の旅っていうと霊界だったり”魂こがして”的な力強いものだったりって イメージがあるんだけど、俺の中にある魂っていうのは、自分の源みたいな意味。 だから追求の旅が始まったことを祝福する声たち、っていうのがコンセプト。
02 BEAT EMOTION
LYRICS,MUSIC:TOMOYASU HOTEI
GUITARHYTHM」で言ったのは、GUITARHYTHM NEVER GONNA STOPSってことで、その2枚目というところで、 「ようこそGUITARHYTHMへ」ってことで、魂がハジケるわけですよね。 過去から始まるのね、このアルバムは。まず自分の過去だったりとかさ。 それが「BEAT EMOTION」って言葉で、BOØWYの頃のことだったりとか、 自分が若くて夢見てたことだったりとか、そういう時間を旅して行くんだけどさ、でもその段階では見つからない訳ですよ。
03 PRISONER
LYRICS,MUSIC:TOMOYASU HOTEI
「BEAT〜」とこれは繋げるつもりで、テンポもキーも合わせて作ったのね。 1曲で完結させる曲じゃないってのを作りたかったから。 歌詞にある通り、これは近未来。で、現在を飛び越しちゃって「風上に立て」みたいな。 その言葉が自分ではすごい気に入ってるんだけどさ、そこで魂は行方みたいなものを定める訳ですよ。 この曲はぶっ通しで歌った。声裏返ってたりしてるんだけど、全然気にならなくて。 あと、限りなくサステインが伸びる新しいギターを使ってます。
04 SLOW MOTION
LYRICS:YUKINOJO MORI
MUSIC:TOMOYASU HOTEI
この詞は森さんから貰ってすごいショックを受けたし、歌ってて気持ち良かったな。 何か不思議な魅力のある曲だよね。”光に包まれた思い出”みたいなのが、そのままスゴイ。 ”愛と双子のギター”とかもグッときちゃう。 てらっていないと言うか、これを言う人が違ったらまた違うんだろうなと思うし、 それを俺が歌えたってことにすごい喜びみたいなのを感じたしね。 あとANDY MACKAY(ROXY MUSIC)にサックスを吹いて貰って、来てくれたっていうだけでも夢みたいだった。
05 SPHINX
LYRICS:YUKINOJO MORI
MUSIC:TOMOYASU HOTEI
ここから神秘の世界に飛んでっちゃうんですけど、エジプト古代にもどろうとかではない。 ただ近未来の夏を彷徨うスフィンクス。スフィンクスって、総て知ってる奴っていうイメージ。 曲作った段階で「WALKING WITH A SPHINX」っていうのが出来ていて、 その段階で森さんに頼んだんだけど、最初は戸惑ったんじゃないかな。 「スフィンクスと歩く曲なんですが」って言われてもねぇ。(笑) でも肌触りとか質感みたいなものまで出てる、素晴らしいなと思います。
06 MERMAID'S DREAM
MUSIC:TOMOYASU HOTEI
後ろに流れてるのはイルカの声。 海外に行くと「イルカに関してどう思うか」みたいなこと何十回と訊かれて、 どうとも思ってなかったかもしんないし、興味なかったかもしんないけど、それ自体いけない事だと思うわけ。 かといってそこで何かを訴えるっていうのも自分にとって嘘っぽいなっていうのもあるし。 それがアルバムの音の中に入ってるだけでも、とりあえず俺の気持ちは救われるかなっていう感じかなぁ。 人魚の見た夢はイルカが嘆いてる夢だった、みたいな。
07 PARADISE
LYRICS:YUKINOJO MORI
MUSIC:TOMOYASU HOTEI
"人魚〜"はこの"PARADISE"の助走でもある。海から陸に上がっていくような。 パラダイスっていうのも、歌いたかったのは何か環境破壊みたいなことだよね。 1、2番サビが俺で、3番が森さんなんですよ。そういうやり方も面白かった。 夢見るものがパラダイスではないと思うのね。 パラダイスっていうのは、あったものだと思う。 どんどんそれが失われていくわけでさ、それを淡々と言葉にしたって感じなんだけど、 でも辛い歌だと思うよね、身に覚えがあるだけに。
08 DEVIL'S SUGAR
LYRICS:YUKINOJO MORI
MUSIC:TOMOYASU HOTEI
で、パラダイスをなぜ失ったかというと、人間の中に棲む悪魔が天使を殺してっていう。 「BEAT EMOTION」と「PRISONER」が繋がっているように、この2曲も繋がっていて、もう完璧な曲順ですよ。 悪魔っていうのもすごい興味深さがあるね。 誰にも気づいている自分の中の二面性ってあるじゃないですか。 それを天使と悪魔みたいなのに例えるっていうのは、今回のカラーではあるよね。 すごい迷ってる自分っていうのを表現したかったのかもしれないね。
09 DRIVIN' TO YOUR HEART TONIGHT
LYRICS:YUKINOJO MORI
MUSIC:TOMOYASU HOTEI
ここでちょっと頭の中のねじが外れるの。 何か頭の中の回路が外れて、それをドライヴとかけてるんだけどさ。 これは森さんの詞で"リアルなことが本当にリアルか"っていうところがテーマ。 そういう詞にしてくれって感じで。 "フロイトの遺言"とか"燃えだした氷"とか、ありえないことで埋め尽くされているんだけど、 何か総て身に覚えがある、みたいな。 思い浮かべてたどりつくイメージと、不意に襲うイメージだったら、不意に来た方がリアルだったりするし。
10 ANGEL WALTZ
LYRICS:YUKINOJO MORI
MUSIC:TOMOYASU HOTEI
この曲はBOØWYの頃に作った曲で、クルト・ワイルから影響を受けた中学・高校生の自分が残ってますね。 そういうのばっかし聴いてた時期があって、ピアノばかり弾いてたから。 だけど「ウチはキーボードはいないぞ」ということだったり、 何かBOØWYというバンドに合わなくて、オクラ入りしてたものが、もう1回やりたいっていう感じで。 アレンジは全然違うけど。で、森さんが"これは俺の人生賭けて書きます"って言ってくれたんで。 その詞の通りの気持ちで歌った。
11 YOU
LYRICS,MUSIC:TOMOYASU HOTEI
これはね、それを久美ちゃん(山下久美子)と言うかどうかは別にして(笑)、2ヶ月東京を離れて書いた詞でさ。 久美ちゃんというには限定しすぎてる気もするし、俺が誰に歌ったものか、 誰かが誰かに歌ったものかは、定かでないことにしておきたいんだけど。 手紙なのね、それは。まあロマンティックなことを言う、って感じの詞ですけどね(笑)、でも俺はそこが好きだけどね。 何か人のことを愛したりすることのできる人はわかってくれるんじゃないかな。
12 GUITAR LOVES YOU
LYRICS:MUSIC:TOMOYASU HOTEI
こういう自分っていうのは、すごく日常だね、俺に言わせると。 家でギターをつまびいてる時って、そういうことやってたりするしさ。 でも誰も見たことがない、犬とカミさんしか見てないっていう。(笑) でもギターの静寂に溶け込むみたいな音が大好きだし。 ギターの楽しさがあったり悲しさがあったり。 「ギターは小さなオーケストラ」って誰かが言ってたけど、その感じかな。 だんだんギター・スタイルも変わって来てるし、今回それをやって、だいぶ気が楽になったね。
DISC 2
13 ROCK 'N' ROSE
LYRICS,MUSIC:TOMOYASU HOTEI
これは久美ちゃんに書いてる時に出来た曲で、その段階で"悪い!これは俺にくれ!って言ったという。(笑) で、これは1枚目の「LEGEND OF FUTURE」からのサンプリングがあるんですが、 やっぱCD2枚目からロックンロール・サイドみたいなさ、1枚目でグーッと入って行ったイメージから、クッと昇る。 それはマジで1枚目のイメージへフィードバックして、ロックンロールに戻ろうってところがあるのね。 で、薔薇に例えた男と女みたいなとこから始まるんだ。
14 MAN+WOMAN IN LOVE
LYRICS,MUSIC:TOMOYASU HOTEI
SEX賛歌っていうわけでは全然ないんだけど、でも何かそっから抜け出せない人間、みたいなところはあるね。 男と女のさ、"アニマルだ〜"とか思うみたいなさ。 それを一応"宿命を演じる遺伝子"ってところで結んでるつもりなんだけど。 そこで、たまたまあったAVからのサンプリングのSEXの声と、 シュールな言葉でキレイなものと醜いものを表現したかった。
15 LIBIDO
LYRICS:YUKINOJO MORI
MUSIC:TOMOYASU HOTEI
だからこれも「LIBIDO」というものを男と女に解釈しなくても、いろんな解釈があると思うんだけど、 森さんがそう取ったってことは、その曲自体がセクシーだったってことだよね。 それは殆ど一発録りで、山ちゃん(山木秀夫)のドラムはほんとにすごかったね。 俺たちは、もう手放しで喜んで、それに合わせてギターもベースも弾いちゃう、みたいな。 それにはワラミーっていうギターを使ってて、あれは意味不明だと思うけど、新しいスタイルだと思う。
16 FLY INTO YOUR DREAM
LYRICS,MUSIC:TOMOYASU HOTEI
これはいろんな聴き方があるかもしれないけど、そうだね「YOU」と並ぶかな。 でも最後のギターが弾きたくて書いたような曲ですからね。(笑) これには「猫事件」というのがあって、真夜中に目の前で猫が車に轢かれてさ、 一晩中病院探したんだけど、結局死んじゃって、海に流しに行ったんだよ。 そういうことをモチーフに詞を書くっていうのはイケナイかなと思ったりするんだけど、 最終的にそのイメージが残ってた。 それとラヴソングが一緒になったみたいな、微妙な気持ちかな。
17 WONDER LAND
MUSIC:TOMOYASU HOTEI
オーケストラ1曲入れたいなって言うのは、1枚目の感動って残っててさ。 ただ1枚目の時は全部お任せしてただ感動してたってパターンなんだけど、 今回のニールはコミュニケーション取れる人で、二人でいろいろやれてさ、 で、譜面見ながら"オーケストラってこうやるんだ"みたいなところまで。 やっぱあんだけ多くの人がひとつの空気の中で一瞬にして出す音っていうのは、すごい緊張感あるね。 テープで聴いてても、考える隙間っていうのをもってる。
18 METROPOLIS
MUSIC:TOMOYASU HOTEI
これもインストで。メトロポリスっていうスタジオで録ったんだけどさ、 メトロポリスって言葉は、もう過去のもののような気がする。 昔あったSFみたいな。あの映画のセピアトーンも含めて、メトロポリスにはFAXなかったみたいな感じ。(笑) でもそのスタジオは最高で、その思い出も込めて。マイケルと「スタジオ捜しに行こう」って 見つけたんだけど、その時はストーンズがライヴのミックスやってた。 でも曲としては、イメージのメトロポリスの方が強いけど。
19 MERRY-GO-ROUND
LYRICS:YUKINOJO MORI
MUSIC:TOMOYASU HOTEI
森さんの詞だけど、サビの「MY LIFE GOES AROUND NEVER STOPS LIKE A MERRY-GO-ROUND」っていうのは 初めから出来ていて、メリー・ゴーランドのように人生は止まらない、 その中でいろんなことが起こる、みたいなイメージを伝えて、そのまま出来た、と。 でも「〜だぜ」みたいな歌詞って基本的に歌ったことなかったから、不安だったけど、 歌ったら結構すんなり行けた。 テーマがあるってところで歌えたんだと思うけど、ロック・オペラっぽい解釈で歌ってたりする。
20 TELEPHONE CALL
LYRICS,MUSIC:TOMOYASU HOTEI
人生ってところで前の曲とつながってるんだけど、これは恐怖新聞みたいな曲なんですよね。 新聞じゃなくて電話がかかってくるんだけど、明日あることを告げるっていうさ。 未来に向って生きているにもかかわらず、未来なんか知りたくない、みたいなさ、 今だけに生きたい刹那主義みたいなところもあるわけで、最初に彷徨った魂みたいなものって 現実で回ってるみたいなさ、逆にリアルなところで書いたつもりなんだけど、けっこうコワイじゃん?
21 RADIO!RADIO!RADIO!
LYRICS,MUSIC:TOMOYASU HOTEI
これもそのまんま、ラジオやってて感じたことだったりとか。 それはあのDJって俺だったり、俺がラジオ聴いてる奴だったり、その辺は定かではないんですよ。 でもまた現実的なところに戻ってきていて、ロックンロールへの愛情みたいなのっぽい曲って感じかなぁ。 リミックスというより、アルバム・ミックスって言った方がいいかもしれない。 マイケルがアルバムの時はもっとパワフルにしたいってやった曲。 これは俺のアルバムだけど、マイケルや藤井ちゃんのものでもあるよね。
22 NOT FOR SALE
LYRICS,MUSIC:TOMOYASU HOTEI
現代が失ったもの、みたいなところではあるんだけど。 満たされちゃって、愛を見つけることを忘れちゃった、みたいなさ。 何でも手に入るようになっちゃった、でも愛は売りものじゃないのよって女の子が叫ぶところに、 一応コンセプトを置いて。 まあ曲としてのパワーの方が、俺の中では強いけどね。 愛に関してはけっこうね、間違ったこともたくさんやってきましたけど(笑)、 保守的なとこは保守的なんだ、考え方としては。 自分でも信じられないところ、あるけど。
23 CITY LIGHTS
LYRICS,MUSIC:TOMOYASU HOTEI
それはアムステルダムでみたかざり窓だったりですね、うずくまってドラッグを吸う人たちだったり、 そういうところですごい頽廃した街に見えたけど、すごい自然な、正直な街にも見えたりとか。 街灯りがついてから始まる、みたいなところでアムステルダムに始まった詞だけど、 その記憶をたどって書いた。 曲は藤井ちゃんとのセッションで一発録りでさ。 コンピューターにピアノとかいろんなデータを入れといてね。 バンッてところから始めて、すごい面白かった。
24 STARMAN
LYRICS,MUSIC:DAVID BOWIE
これはデヴィッド・ボウイはもう歌わないって言った曲なんだけど、 俺にとってはかけがえのない名曲であるのは確かなんだけど、 外なる宇宙から降りてくるってところで魂とつなげて考えたのね。 俺にとってはハッピー・エンドなんだけどね、あの曲は。 だからなるべく壊したくないのね、いい曲だからさ。 でも俺がこの時代に生きてる証しみたいな、そういうカヴァーじゃないと魅力ないだろし。 まあ、そこは自分の思い込みでさ、誠心誠意カヴァーしました。

ー布袋の言葉による曲解説ー
〜GUITARHYTHM II Documentより〜
DEVIL’S SUGAR
人の心の中に宿る天使と悪魔がいたとしたら、その天使と悪魔が、今という舞台ですね、今っていう次元で、戦いを繰り広げているっていう詩なんですけど、すごいANGELICで、きれいな部分とこわい部分をすごい表現したかったなっていう詩です。
YOU
会えなくなってしまった恋人への想いを手紙に書いているっていう自分に対して歌った曲なんだけど、うーん、ぱっと聴くと、なんか、その彼女に対して歌ってるようにイメージするかもしれないけど、どっちかっていうとそれを書いている自分っていうところが、自分にとって痛いみたいな、自分にたいしてのLOVE SONGなのかもしれません。
FLY INTO YOUR DREAM
初めてのバラード、自分で歌うところでは、初めてのバラードなんだけど、うーん、なんか愛の永遠性みたいなものって、えー、人にとっては夢物語だったりする世の中で、えー、それをなんか一番大事だっていいたいなぁって思って、声とギターで表わしました。
MERRY−GO−ROUND
メリーゴーランドみたいにねクルクルなんか止まらないでまわっていく人生なんてって言い切っちゃったらそれで、おしまいなんだけど、その中になんか見出すなんか、んー、なんかあったかいものだったりとか、そういうものっていうのを、忘れたくないなっていう気持ちを込めて書きました。
NOT FOR SALE
街を歩くなんか、かっこわるい男と女を見ながら思ったことなんだけど、えー、本当に、尊い愛なんてもちろん金では買えないものだけど、なんか、んー、そーだね、そういうところのイメージみたいなものでSEXだったりとか、イメージの中でだけの愛みたいなものに満足しちゃってる人たちに捧げたいと思ってます。
<REVIWE>
COMPLEX解散後、発表されたGUITARHYTHM第二弾。全24曲が1ヶ月で作品として完成した。”ANGEL WALTZ”は、BOØWY時代に作曲したもので、BOØWYの曲としてはアルバムに収められなかったもの。STARMANは、言うまでもなくDAVID BOWIEの名曲”STARMAN”。布袋のクリエイティブな感性が実によく表れている作品だと思う。宇宙という言葉がぴったりあうような気がする。また、"MERRY-GO-ROUND"と"SLOW MOTION"の2曲の作詞を担当したのは森雪之丞は、これが布袋寅泰との最初の仕事である。

☆森 雪之丞氏のコメント☆
心の中に幽閉されたまま、マグマの様にぐつぐつと温度を上げ、爆発の瞬間を待ちわびていた僕のロックなポエジーを鮮やかに噴火させてくれたのは、布袋寅泰である。 『デヴィッド・ボウイ』を共通言語として持ち合わせていた僕達は、仕組まれた運命の罠を愉しむかのように出逢い、1991年、作品を作り始めることになる。 3月17日、都内の布袋宅で渡された2本のカセット・テープ。そこにはダブル・アルバムである『GUITARHYTHM II』のために20以上の新曲が収録されていた。とりあえず2曲に詞を付ける打ち合わせをして別れる。そして3月27日、僕はこの『MERRY-GO-ROUND』ともう1曲の『SLOW MOTION』を書き上げ、都内にあった布袋君の事務所で手渡した。 これが、その後10年に渡って魂を重ねあう、布袋寅泰との壮大な物語の序章である。

LIVE DATA-1991
GUITARHYTHM IIの先行シングル”BEAT EMOTION”の発売から約1ヶ月後の8月6日に富士急ハイランドにて”GUITARHYTHM REPRISE”と題されたLIVEが行われた。当日はあいにくの雨だったが、雨によって一層幻想的なステージとなった。チケットは4時間で完売し、1万人を動員した。

このLIVEの後、8月30日にGUITARHYTHM IIのLP発売(5000枚限定)、そして9月27日にCDが発売され、9月30日、布袋の生まれ故郷にある群馬県民会館より、1992年1月17日まで布袋にとっての初のツアー”GUITARHYTHM ACTIVE TOUR”が行われた。