よかったねーとみんなが笑顔で嬉しそうに会話があちこちから聞こえるライブ後の風景、今回はすごかったね!という声が多かったと思う。
いや、凄いものを見たというか、目撃したという言葉のがシックリくるような気がする。
唯一無二のギタリスト、ジェフ・ベックが2023年1月急逝し、同年5月22日・23日にロイヤル・アルバート・ホールで 「A Tribute to Jeff Beck by Eric Clapton & Friends」 が開催された。エリック・クラプトンをはじめ、ジョニー・デップ、ロッド・スチュワート、イメルダ・メイ、ゲイリー・クラーク・ジュニア、ジョス・ストーンら豪華アーティストが集結し、ジェフ・ベック・バンドのメンバーも参加。布袋寅泰もこの歴史的なライブを現地で見届けたという。
ギターマガジンがきっかけで、ジェフ・ベックとプライベートでも交流のあったCharによる日本版トリビュートライブ「A Tribute to Jeff Beck by Char with HOTEI and Tak Matsumoto featuring The Jeff Beck Band -Rhonda Smith, Anika Nilles, Jimmy Hall & Gary Husband-」。ジェフベック財団公認イベントです。集まったのは布袋寅泰&松本孝弘(B’z)。いわゆる日本3大ギタリストが一堂に会する今までにない特別なライブ。しかも、ジェフベックバンドを務めたロンダ・スミス(Ba)、アニカ・ニルス(Dr)、ジミー・ホール(Vo)、ゲイリー・ハズバンド(Key)と一緒にプレイという奇跡。
しかし、チケット代は結構な値段な上に、行きたいけどちょっと厳しいと諦める人や、そもそもジェフ・ベック?という人が布袋さんのファンには少なくはないようで、チケット発売時から、果たして布袋ファンはライブに来るのか?と不安でした。250人くらい布袋ファンのメンバーのいるチャットグループでも、参加するって表明していた人は私含めて3人しかいませんでした。でも、フォローしてる人で行く人は10人もいない感じでした。
有明アリーナに到着すると…
会場に着いてまず目に入ったのは、グッズの先行販売の長蛇の列。想定以上の人の多さに「結構人いるじゃん!」と嬉しくなったのも束の間、よく見るとスカジャン率が高く、「TMG」や「Gibson」の文字があちこちに…。あと列に並んでる人の足元みてるとリーボックのポンプフュリーが・・・稲葉さんコラボのリーボックのスニーカーが発売されたことは知っていましたが、それを履いている人が結構いたのに加えて、そうでないポンプフューリーを履いている人もめちゃくちゃ多い! 「こんなにポンプフューリー履いてる人がいるなんて…」と衝撃を受けつつ、気づけば会場周辺の人々の足元ばかりをチェックしていました。
「普通の服装…でも足元はポンプフューリー」
――つまり、ポンプフューリーを履いている人はB’zファン!ってことはスカジャン着てる人や何かしらのB’zアイテムを身につけてる人含めたらグッズ買いに着てる人はB’zファンで埋め尽くされているような錯覚に陥りました。ただ、今回はトリビュートライブだから普段から自己主張しない布袋ファンや、あえて控えている人が多い気もするので、実際のどれくらいいたのかは分かりませんが、あっタケオキクチバッグやG柄G-SHOCKなどで、あっ布袋ファンいた!ってのは20-30人に1人ってくらい少なかったです。布袋さんのソロ活動を長年追いかけているファンの中には、「布袋さんしか聴かない」「BOØWYやCOMPLEXこそ至高」「ソロ活動はとりあえず…」という人も少なくありません。さらに、洋楽に対して拒否反応を示す人も一定数いる印象です。もちろん、応援の仕方は人それぞれですが…。
それでも、B’zファンが松本さん出演のイベントにこんなにも集まる光景を目の当たりにすると、正直 悔しさ というか 羨ましさ を感じずにはいられませんでした。先日の紅白出演で話題になりましたけど、B'zのファンクラブってかなり良心的らしいですし、チケット争奪戦は厳しいとは思いますが、なんていうか、しょうもない愚痴とか無茶いう人とか少なそうな印象、なんか平和そうといいますか。。。
実は、私も布袋さんのファンになる前はB’zファンでした。ただ、「7th Blues」を最後に離れたタイプです。最後に買ったシングルはDon't Leave Me。ラブファントムやウルトラソウルより前です。
生まれて初めてカラオケで歌ったのは「Easy Come Easy Go」。初期の松本さんのソロアルバム、サウザンドウェイブ、ワナゴーホームも買いましたし、Mステの「#1090」や8cmシングルも持っていました。でも、周りにB’zを聴いている人はたくさんいても、松本さんのソロを聴いている人はほとんどいなくて…。孤独のRunaw・・・状態でした(笑)。
そんな経験もあり、B’zファン=稲葉さんファン、という認識が強かったのですが(すみません)、それから30年近くが経過し、状況はすっかり・・・よく考えたらギブソンからシグネチャーモデルがでたり、グラミーとったり、、、ギタリストとしてめちゃくちゃ存在感増してるわけですよね。少し考えれば当たり前のことなのに・・・と反省。
ちなみに私はJeff BeckのTシャツきていきました。が、そういう人も全然みかけず。。。Jeff Beckのライブは10回くらいは観たことあります。国際フォーラムとかが多かったので、結構ファンもくるとは思っていたんですが・・・
先行販売の30分くらい前に並んだのに、自分の番が来た頃には、すでに売り切れグッズが。周り見るとTシャツとトートバッグイロチ買いしてる人多数。ここでもなんか熱で負けたような気がしてしまいました。とりあえず公式パンフレットだけ購入。
開演時間少し前までは、熱い布袋ファンの方々とお話しできて充実した時間をすごせました。普段は見慣れすぎて、みんな一緒の格好ってどうなんだろくらいに思ったりもふとしてしまうG柄ファッションですが、ポツポツ見かけると、今日ばかりはなんか嬉しくなりました。
場内にはいると、シックな感じのステージに、左右に大きなモニタ画面。かなり大きい会場ですが、これならどこからでもよく見えたと思います。ライブ自体は、基本アリーナも着席でないとダメだったようです。立ち上がった人は着席するよう注意されてました。出演者の登場も拍手で迎えられ、声上げる人は少なめ、雰囲気もなんか大人なライブという感じでした。
まず、Charさんのステージ。いきなりLed Bootsから始まり、WIREDのTシャツ着ていた自分は1曲目からテンションあがりました。続いて第1期ジェフ・ベック・グループのTruthからベックス・ボレロ、Beck-Olaからライス・プディング、再びTruthからモーニング・デュー、カヴァー曲・Wild Thingで一旦Charさんのコーナーはおわり。続いて松本孝弘さん登場。その際、周りの人はみんな一斉に手をあげて、松本さーんって感じで手を振っている。やっぱり観客の多く、少なくともVIP席の多くは松本さん目当てなのか・・・と確信。松本さんはBlow by Blowから哀しみの恋人達とThere and Backからトゥー・マッチ・トゥ・ルーズの2曲。忠実なプレイながらも松本サウンドで素晴らしい感動的な演奏。やっぱり昔B'z好きだったせいか松本サウンドは沁みる。といっても私はYAMAHAのMG-Mでしたっけ・・・ゼブラ柄とかのギター使ってる頃のイメージが強いんですが、でも、やっぱり松本さんならではの音ってあると思います。
そしていよいよ布袋さん?と思いきや、ふたたびCharさん。迷信からJailhouse Rock、Train Kept A-Rollin’、All Shook Up、Little Wingとジェフ・ベックやBBAでのカヴァー曲を、カヴァー。
そしていよいよ、トモヤスホテーイのアナウンスで、登場した 布袋さん。
結構歓声はあがったものの、当然いつもの布袋ライブよりは明らかに少ない。でも逆に、今まで布袋さんをみたことない人が観れる機会!と捉える。
ついこの間武道館2Daysで見たばかりだが、なんかちょっと若返って見える。そしてなんていうか余裕を感じる。完成したばかりのGUITARHYTHM Ⅷの出来が素晴らしいのかなとか思ってしまう。ヨージヤマモトのスーツとシャツと思われる白黒のシックながらも遊び心ある出立ち。手にしているギターは、Zodiac NEOのサスティニアックモデル。何をやるのかとワクワクしていたら、なんとHammerhead!布袋さんが一番すきなジェフベックのアルバムとしてあげていた『Emotion & Commotion』に収録されている曲で、グラミー賞とった曲。会場にきてる布袋ファンもこの曲をやると予想している人は多かったと思います。ジェフベックが長年にわたって共演してきたヤン・ハマーに敬意を表して作った曲として知られているので、布袋さんも敬意を表してのカヴァーだったのかなと思いました。そしてジェフ・ベック&ロッド・スチュワートによるカヴァーで有名なピープル・ゲット・レディを、ジミー・ホールをステージに呼んで披露。ギターはフェンダーの黒テレにチェンジ。去年のCOMPLEXぶりにボーカリストの横でギターに徹する姿がカッコ良すぎる。そして、明らかにジェフベックバンドの表情がいい。すごく楽しそう。
次に再びZodiac NEOのサスティニアックモデルに持ち替えた布袋さんが、群馬のCharと呼ばれていたという話から、戸越銀座のジェフベック?ことCharさんを呼び込み、2人でFreeway Jam。Freeway Jamは布袋さんはリーリトナーと演っていたり、松本さんもライブ?でやっていたらしいので、布袋&松本で、やるのかななんて期待していたんですが、Charさんとでした。ギターバトルが炸裂し、非常に熱いステージ!続いてWiredの蒼き風で本編は終了となりました。
アンコールは、CharさんによるJeff's Boogieの後に、ついに3人が揃うことに!
やっぱりラストは定番曲「ゴーイング・ダウン」。布袋さんはZodiac NEOの布袋モデル。
もうひょっとしたら2度とみれないかもしれないであろう、日本のギタリストの歴史の中でも、大きな出来事だったんじゃないでしょうか。フェスとかで最後にみんなでっていうパターンではよくあることなのかもしれませんが、私がみたことあるものだと、正直みんなでやってる、楽しそうとは思えても、ギターがたくさんいたりすると誰が何やってるのかもよくわからないことが多かったのですが、今回はそれこそギターもストラト・テレキャス・レスポールとはっきり分かれていて、松本さんが真ん中で、布袋さんとCharさんがサイドに。それぞれの特徴が絡み合う珠玉のギターバトルは圧巻としかいいようがありませんでした。ギターバトル以外にも、おお!っとなるようなことも多々あり、これは後日の放送などでじっくり楽しみたいところ。多くの人が終わらなければいいのにと思ったんじゃないでしょうか。
とにかく、生で体験できて、来て良かったと心底思えました。そしてジェフベックバンド最高ですよ。ロンダ・スミスとアニカ・ニルス、女性2人のリズム隊には目を奪われること多く、音はもちろんなんですが魅せてくれました。なのでギタリストよりも見てしまうことも。。。ゲイリー・ハズバンドも激アツでしたね。Charさんとのかけあいが特に印象的でしたが、ずっと目立ってました。そしてジミー・ホールさん、75歳とは思えないエネルギッシュなボーカルに震えました。ジェフが愛したバンドっていう布袋さんの紹介がよくわかりました。あと、布袋さん、周りを引き立てようと一歩下がってる時のプレイがまたかっこよかったです。ふと、Char meets Hoteiでの共演してるときのプレイを思い出しました。
魂は受け継がれてます。そしてこれからも。
Jeff Beckさん、ありがとう。
2025年5月にWOWOWで放送されるそうなので、全18曲2時間番組でノーカットでお願いします!
セットリストの公式プレイリスト
このライブのセットリストによる公式プレイリストが公開されています。このトリビュートライブを機にDigる最初の手段として最適です。
素敵な出会いがありますように。
追記
ライブ終演後、なんだかんだで10数名の布袋ファンには会えました。ただ、そこで気づいたのが、G柄はあまり身につけない人ばかりでした。G-SHOCKくらいですかね。だからB'zファンが多かったのは間違いはないにせよ、布袋ファンも結構いたんだと思います。ただ、やっぱり感想とかを検索しても・・・少ないですね。でも気になるのは布袋ファンの感想よりも、初めてみる人たちの感想です。「布袋 初めて」とかで検索して感想などを見るかぎり、布袋ファンからすると嬉しくなるような投稿がたくさんあって、なんか胸が熱くなりました。嬉しいです。ついつい、松本さんと布袋さんのことばかりになってしまいましたが、Charさんは安定の凄い人ってことで・・・
あと、なぜか、松本さんが、3人の中で最年少みたいな捉えられ方されてるっぽくて・・・布袋さんより松本さん年上ですよ。ひとつですけど。
プロとしてのキャリアは布袋さんのが長いかもしれませんが、私としては、松本さんは布袋さんのことを、布袋くんって呼ぶイメージがあります。逆に布袋さんは松本さんっていってる印象です。ですが、どうも、松本さんが先輩方2人に対して云々。。。みたいな感想がちらほら目についてちょっと気になりました。