このシングルの持つ意味は説明不要かもしれない。1985年~1997年の12年間に渡る山下久美子との結婚生活を終え、山下久美子への感謝の気持ちと別れの言葉と気持ちを表した曲である。

二人の離婚については、二人の音楽のファン、さらには憧れの夫婦像として捉えていたファンも多く、こういったシングルを発売するということについて、不快感を感じるファンも少なからずいた。 実際にどのようなことが原因で別れに至ったかについては、当事者同士しか分からないことであり、それについて憶測をもってとやかく言うことではないだろう。 このシングル曲とは違うが、"NOBODY IS PERFECT"で歌われているように「心変わりや裏切りさえも 今を生きている証だから 悩める心 風に委ねて 歩き続けていこう」と布袋は歌っている。例えばこのような詞に共感できる人もいれば出来ない人もいて、恐らく出来ない人のほうが多いような気がする。 こうあるべきだ、と決めたことを貫き通すことは素晴らしいことであり立派なこと。しかし、それは自分でなく他人から見ての判断であり、幸せそうにみえる人が本当に幸せかどうかなんてものは分からない。

アーティストにとって作品を残すという意味は、リスナーが思う以上に深く、そして大きなものだと思う。 他人にどう思われようが、このシングルは、布袋自身にとって、アーティストとして、絶対に出さないといけないものだったのではないだろうか。 つまり、それだけ大きな存在だったということではないだろうか。

この作品は、布袋にとって初めて自分以外の人(マイケル・ケイメン)にプロデュースを委ねたものでもある。 PVでは、髪を今までにないくらい短く切った布袋が、Gibson J-180 Everly Brothersというモデルのアコースティック・ギターで演奏し歌っており、モノクロ映像とロンドンの風景が印象的な美しい作品に仕上がっている。 なお映像を手がけたのは「SERIOUS CLIPS」のナイジェル・タラモ。ジャケット写真は、ハービー山口によるもの。

ライブで演奏されたのは1998年の「SUPERSONIC GENERATION TOUR」のアリーナ会場のアンコールのアコースティック・パートのみであり、合わせて山下久美子がこのシングルの1週間前にリリースした布袋寅泰&山下久美子最後の作品となったシングル「FOUR SEASONS」もカヴァーしている。

このシングルをより深く味わうためには、山下久美子のシングル「FOUR SEASONS」、そのカップリングの“SING A SONG”の2曲と合わせて聴くのがよいと思います。

01.THANK YOU & GOOD BYE
作詞・作曲: 布袋寅泰
02.THANK YOU & GOOD BYE(backing track)
作詞・作曲: 布袋寅泰

AIR MAIL FROM LONDON

Produced by MICHAEL KAMEN
Guitars,Vocals: TOMOYASU HOTEI
Piano & Strings Arrangement: MICHAEL KAMEN
Percussion: RAY COOPER
Bass: GUY PRATT
Drums: PETE THOMAS
Recorded & Mixed by KUNIHIKO IMAI
Photograpgh by HERBIE YAMAGUCHI
Mastered by IAN COOPER

DEDICATED TO OUR 12 YEARS