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サレンダーのジャケット

1994.03.30

サレンダー 布袋寅泰

更新日:

TODT-3201
【8cmCD】※廃盤

資生堂「新液体整髪料アグレ・ヘアジェリングウォーター」CMソング
布袋寅泰がCMに起用される案もったそうだが、武田真治が起用された。ハードなくせして、しなやかだ、というフレーズが印象に残っている方も多い→CM映像

MV

サレンダー」(SERIOUS CLIPS)
ESCAPE」(SERIOUS CLIPS)

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  • Track Listing
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Track listing|SURRENDER

  1. SURRENDER [5:52]

    lyrics,music & arrangement: TOMOYASU HOTEI

  2. ESCAPE [4:31]

    lyrics,music & arrangement: TOMOYASU HOTEI

アルバム『GUITARHYTHM Ⅳ』の先行シングル。GUITARHYTHM Ⅳのサウンドは、コンピューターを排除した生のバンドサウンドであり、GUITARHYTHMが本来持っていたコンピューターとギターというコンセプトを持たない。それは、このシングルのシンプルなジャケットワークからも感じられる。

SURRENDERという強烈なタイトルは、一般的な日本語訳だと「降伏」「投了」といった意味であるが、もとの原義は「委ねる」「身を任せる」「引き渡す」「放棄する」「諦める」といった意味である。例えばエルヴィス・プレスリーのサレンダーという曲(1961年)のサビではWon't you please surrender to meという歌詞がある。「俺に身を委ねてよ」という意味である。

投げやりな感じでネガティヴな意味で捉えているリスナーも少なくないようであるが、伝わる人には心につよく残る、考えさせられてしまう、歌詞ではないだろうか。

俺が言いたいのは、幸せになろうよ、じゃなくて、自分を見つめようということ

布袋寅泰

この布袋の言葉が全てを表している。

カップリングの「ESCAPE」は、ロンドンから夜行列車でバースへ旅に出て現地のホテルで出来た曲。バース郊外にピーター・ガブリエルが建てたリアルワールド・スタジオでレコーディングされた。ESCAPEのミュージックビデオはスペインで撮影。抱きしめるように弾いたというギターソロは感動的であり、そして何よりも気持ちがマイクを越えて空気として伝わっていくように歌ったという布袋のヴォーカルが特に素晴らしい。

共にアルバム『GUITARHYTHM Ⅳ』ではアルバムヴァージョンとして収録されており、サレンダーはシングルヴァージョンの方が好きというファンも少なくない。ただ、後にリリースされているベスト盤『GUITARHYTHM FOREVER Vol.1』や『HOTEI GREATEST HITS 1990-1999』、『51 Emotions』はいずれもアルバムヴァージョンが収録となっている。必然的にシングルヴァージョンを聴く機会が少なく、たまに聴くと新鮮に聴こえて好きというだけなのかもしれない。

サレンダーはライブでも頻繁に演奏される曲で、特にギターソロは12小節が同じ音階というサウンド面だけでなくパフォーマンスも人気がある。このギターソロにサレンダーという曲に込めた「何があっても負けない」という思いが詰まっている。

布袋寅泰によるサレンダーの解説

この曲も、「LONELY★WILD」と同じで、ロンドンで一人暮らしをしているときに作った曲。ロンドンのちっちゃいフラットで、アコースティックギターで作った曲。この曲の特徴は何といっても、クライマックスで上がっていく、ギターソロが一音から動かないところ。そんなギターソロ、ないからさ。まず曲を作って、ギターソロのコードを決めずに、ギターを弾きながら、「あ、ここで絶対一音から動かないっていう、誰もやったことのないギターソロをやろう」と思って。まずは8小節、その一音だけを引いて、それに合うコードを探していったんだよね。コードから作って一音のソロにしたのではなくて、一音のソロに合わせてコードを作った。ソロに合わせて曲を作った。
このソロ、やっぱりライブでやるときの高揚感はすごいね。
やろうとしていることは構造的には結構挑戦、でも仕上がったときには、耳残りが良かったりとか、普通に印象的な曲に仕上がるという、実験性とポピュラリティというか、ポップさというか、その間にちゃんと着地点がある。
あとやっぱり自分に酔わない。ギターソロなんかも、♪キュイーンって自分に酔う、その寸前というか、カタルシスはもちろん感じながらも、酔わないっていうのって、僕の中でのすごく大きなテーマ。自分に酔っている人を見るのが嫌いなのね。ライブの中で高揚してきて、お客さんも入って一体感が出てきて、でも、それでも自分に酔ってはいないかな。そこら辺はいつもドライなんでね。
僕、好きなロックの方が少ないというか、ロックなら何でも好きなわけじゃない。
やっぱりそこに美学がちゃんと必要で、今言ったみたいに、酔っていないということもそうだし、ユーモアがあったり、トゲもあって毒もあって、そういう、なければいけない要素が欠けていると嫌なんだよね。魂の叫びみたいなもの、悲しみみたいなもの、それをギターで表現するときに、大声でわーっと叫んでいるときの、こう心が震えているような、そういう音をいつも大事にしてる。特にこういうバラードになってくると、うっとりさせたくないよね。どちらかというと、ソロが来ると、みんなにヒリヒリして欲しい。
自分自身は非常に感情的だし、最近、怒りの感情はほとんど無くなったけど、意外と感動しやすい。すぐ涙出てきちゃうタイプだしさ。すぐホロホロしちゃうタイプ。でもギターってツールがあるとね、涙の代わりに、ギターが吠える中に「ありがとう」もあれば、「バカ野郎」もあれば、いろんな感情を託せるんだよね。ギターを弾いていて振り絞るように音が出てるときが、一番感情的かもしれないね。

布袋寅泰によるESCAPEの解説

個人的にとっても好きな曲。こともあろうに高校を3年の3学期にドロップアウトして、半ば飛び出すように家を出て、東京でひとり暮らしを始めた頃の、期待と不安が入り混じった複雑な思いがこの曲には込められている。何かをスタートするためには、何かを終わらせるしかなかった。僕にはあえてそれを選ぶ刹那的な部分があるのかもしれない。BOØWYの終わりもそうだった。到達したら次にいく。前へ。常に自分をもう一歩先に。負った傷の数も少なくないよ。でも、行かなきゃならないときもあるのさ。

51 Emotions セルフライナーノーツより

サレンダー資生堂のCMソングだったことから創立135周年記念として2003年に資生堂のCMソングコンピレーションアルバム「音椿~the greatest hits of SHISEIDO~」の白盤にも収録されている。このアルバムには氷室京介「Girls Be Glamorous」(資生堂「ピエヌ」CMソング、本人出演)も収録されている。

サレンダーは多くのファンに知られていることだがエルヴィス・コステロの1979年のヒット曲「Oliver's Army」に影響受けていると思われる。といっても布袋オリジナルに昇華されており、ポップなメロディなのに歌詞はシリアスという共通点が興味深い。「Oliver's Army」は元々はボツ曲予定だったが「アバのようなピアノのリフを入れたらどうだろう?」というアイデアで化けたそうです(参照:まいにちポップス(My Niche Pops))。サレンダーもピアノの要素が大きく聴き比べると非常に面白いです。

カップリングのESCAPEは2000年1月26日に発売されたライブアルバム+B面集からなる2枚組CD『HOTEI DUAL CD PACK』の『B-SIDE RENDEZ-VOUS』にESCAPE’99として収録されている。こちらは新たに再録されたヴァージョン。

Credit title|SURRENDER

VOCAL & GUITAR:布袋寅泰
BASS:浅田 孟
DRUMS:椎野恭一
GUITAR:成田 忍
KEYBOARD:小森茂生

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