COMPLEX時代の1989年に作られた布袋モデル。ブラック・レッド・ホワイトの3種類が作られた。ヘッド裏にシリアル刻印がありブラックがHT-0001、レッドがHT-0002、ホワイトがHT-0003である。ライブなどで使用されたのはブラックとレッドの2つで、後に受注生産で販売されたのも2色だったためホワイトは存在すらあまり知られていない。ちなみにホワイトはピックガードがブラック同様のブラック。幻のホワイトは既に譲渡されている。
1960年代のアメリカのナショナル製ギターのグレンウッドにインスパイアされた特徴的なボディでアーチド・メイプルトップ&マホガニーバックのレスポール構造。指板に2種類の貝であしらわれたギタリズムマークのポジションマーク。ファイン・チューナー装備のTP-6テイルピースを搭載。一般向けにも受注生産という形で短期間販売はされはしたが、フェルナンデスが外部メーカーに生産委託で安価で販売する廉価モデルではなくプレミアムラインであり、型番のとおり48万円と布袋モデルギターとしてはW-NECK(TE-360HT)より高くもっとも高価(当時)。当時のファンの年齢層を踏まえると買える人は限られていたと思われる。そのため製造本数は極めて少なく現在中古市場では100-200万円で取引されている。
ライブでの初登場はCOMPLEX最初のツアーの1曲目「PRETTY DOLL」で6曲連続+アンコールの「BE MY BABY」でレッドが使用された。ブラックカラーは、COMPLEXのシングル『1990』のミュージックビデオをはじめCOMPLEXの1990年のTV出演の際やROMANTIC 1990 TOUR、19901108でも「1990」で使用された。レッドカラーはGUITARHYTHM WILD TOURでは成田 忍が弾き、GUITARHYTHM SERIOUS!CLIMAX ARENA TOURのラストの「RUN BABY RUN」では布袋本人が使用。2011年の『HOTEI THE ANTHOLOGY“創世記”』ではCOMPLEXの6曲で使用し、『COMPLEX 日本一心 20110730・31』、『COMPLEX 日本一心 20240515,16』でも使用された。近年ライブで使用する際はレッドでブラックは使用されていない。布袋寅泰の活動40周年を記念した40本のギター展示会ではブラックが展示されていた。ライブでは使用されていないが布袋寅泰オフィシャルSNSでMV-95HTのPUがフランス製のハンドメイドピックアップメーカー「SP Custom Pickups 」のSavage Beastに変更された写真が投稿されたことがあり、このMV-480のブラックも同じピックアップに変更された写真がGUITARHYTHM Ⅷ TOURの直前にポストされ、往年のファンは色めき立った。同ツアーで久々に「BE MY BABY」で使用された。
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