<CASE OF BOØWY>はパッケージケースとして全4巻のビデオテープ・2枚組みのLDにするという意味と、そして”CASE”〜の場合というダブルミーニングのスタイルをとっていたが、 9月5日に総売り上げで80万枚を超える7枚目のアルバム「PSYCHOPATH」を発表し、 「BOØWY ROCK’N’ ROLL REVIEW Dr.FEELMAN’S PSYCHOPATHIC HEARTS CLUB BAND」とタイトルに銘打ったツアーの頃から俄にバンド解散の噂が流れ始める。それは、BOØWY HUNTの創刊に始まる全てのタイトルの一貫性の行方が解散という意味へつながるのではないかという、たわいも無い符号からのものだったけれども、 事実上のラストシングルカットとなった作品として「季節が君だけを変える」とタイトリングされた楽曲を「CLOUDY HEART」とのカップリングで発表、そしてツアーの最終日が日本武道館や横浜ではなく、再び12月24日の渋谷公会堂にスケジューリングされている事が合わせて発表されると、その噂は俄に信憑性をおび始めてしまう。 「FRIDAY」も彼らを取り上げ、彼らのつくり上げたBOØWYが様々な媒体の中で彼らの意志だけでコントロールしきれなくなった事を確認したかのように12月24日、 運命の渋谷公会堂で彼らは、BOØWY解散を単なる噂として強く否定したいファンの心をよそに、解散を表明。 ONLY YOUの演奏の後、「これからは一人一人が、今まで4人でしか出来なかったことをやってきたように、一人一人やっていこうと思います。」と述べた。入りきれなかった、中にいるのと同じ位の渋谷公会堂につめかけたオーディエンスは固い警備を突き破り、ステージ上での出来事を確認する為に情報提供を要求、 渋谷公会堂の正面玄関はこのやりとりでガラス扉などが破壊されるが、解散表明された事を伝えられるとその場にくずれ落ちた。 クリスマスイヴのこの夜、何事もなかったようにジングルベルに浮かれる'87年の終演に、 彼らはその姿をステージの奥へと消した。このBOØWYの解散は、ラジオでは臨時ニュースとしても取り上げられた。翌日の新聞に記事としてだけではなく、BOØWYが有料で買いとったそれぞれのスペースに、解散表明のメッセージが踊っていた。
1987・12・25
BOØWY解散の新聞記事